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本多立太郎さん 1,292回目の「戦争出前噺」

 2009年8月15日午後JR和歌山駅前わかちか広場で95歳の本多立太郎さんが「あの日からの日本国憲法」と題して、1,292回目の戦争出前噺をされました。「平和と憲法を守りたい市民の声」が主催した「戦争体験と平和への思い―風化させないために 8・15市民の集い」の中で約50名の参加者を前に1時間語り、質疑にも応じられました。
 「2度召集され7年半、中国・千島・シベリアと経験したが、これが戦争だと語る資格はあるのかと思うこともある」と前置きしつつ、概略次のような話をされました。

 

 終戦を北千島の占守(しむしゅ)島で迎えた。8月13日にB29編隊への特攻を目撃、15日隊長から敗戦を告げられ、兵は「帰れる」と喜んだ。18日軍装の命令が下りソ連軍と戦闘があったが21日大本営の停戦命令。ソ連兵と乗った船は北海道ではなくナホトカに着いた。シベリア抑留については多くの本が出ていてほとんどは、飢え・寒さ・労働の恨みを述べているが、私の考えは違った。戦争だから立場を変えれば自分も捕虜をこのように扱うだろうと考え、戦争を始めた者を恨んだ。
 経験を通して今日を見て思うことは、経済発展に突き進む中で文化・道徳などいろいろなものを脱ぎ捨ててしまったことだ。シベリアから帰る時、天皇制は終わっているものと思った。ところが何も変わっていない。憲法1条から8条を残すために9条を置いたと言われているが、怒りを感じる。しっかり総括すべきだ。
 今我々にできることは憲法9条を守ることだ。ただし、守ることは言われてきたが「9条で攻める」ことが出来ていなかった。「9条は良い」を広め、世界中で「9条を持つのが普通」にするべきだ。こう考えて9条のフランス語訳のチラシをパリで配り対話することを計画した。6月1日出発を予定したが4月に連れが無くなって喪に服するため、1年延期した。寄せられたカンパはお返しした。
 改憲のハードルは国会発議と国民投票の二つで、今の国会なら寝ていても発議は出来る。国民投票が決定的だ。改憲反対の人を多数にすることが課題だ。主婦でも運動できるかと聞かれるが、反対を広げる対話は出来る。ただ、改憲反対の話題だけでは避けられるので、話題を豊富にして、その中で出すのが良い。
 話題を広げる参考に3つの本を紹介したい。『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎・岩波文庫)・日高六郎『戦後思想を考える』(岩波新書)・鶴見俊輔『教育再定義の試み』(岩波書店・単行本)の3つ。今日起きていることは他人のせいではなく自分自身の問題。これらの書を参考にしてほしい。いずれ政治改革が来て改憲が問われるだろう。改憲派は子どもの世代をねらっている。

【質疑】
Q1 改憲派が子ども世代をねらっているとは具体的にはどういうこと。
A1 彼らのねらいは「戦前回帰」であり、つきつめれば個人の幸福ではなく、国家や組織といった「集団の中の1人」という意識を持たせることだ。
Q2 対話しているが「話が難しい」「理想論だ」などと言われて悩んでいる。
A2 まず他人の気持ちになってみることが大切ではないか。そして「命は一つ」という人としての共通点に立って根気よく話し合うことだ。私の経験でも、意見が対立している人に自分の信念を粘り強く話して理解してもらったことがある。

 講演に先立って読み聞かせや歌と楽器の演奏、講演後に参加者の意見発表も行われました。会場周囲には、原爆と戦争の写真・説明パネル多数が展示され、通る人も目を留めていました。また講演後、本多立太郎さんの本の中から、95歳のトンダ・モンタ氏が総理や国連事務総長になって平和を実現するおとぎ話2冊のサインセールがありました。
 参加記の筆者も『トンダ・モンタ総理っ!』を購入してサインしていただきました。
(2009.8.15 柏原卓)

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(2009年8月16日入力 18日修正)
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