[朝日新聞 紙面](下に文字情報を収録)
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朝日新聞・2011年5月22日13版
日中間首脳 避難所を訪問
風評被害対策で連携
きょう首脳宣言
中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相、韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は21日来日し、菅直人首相と一緒に福島市内の避難所を訪ね、東日本大震災の被災者を励ました。22日の日中韓首脳会談では、原発事故に伴う風評被害の防止などで合意し、3カ国の連携をアピールする。
21日午後、3人の首脳は福島市内の県営あづま総合体育館を訪れた。菅首相が温首相と李大統領に近付いて「福島県産の野菜があります」と手招きし、アスパラガスやトマト、イチゴが並んだ長机の前へ。3人はサクランボをほおばり、キュウリをかじった。
温首相は福島に先立ち訪れた宮城県名取市で、同県女川町の水産加工会社の専務、佐藤充さんが中国人研修生20人を避難させた後に津波にのまれて命を落としたことに言及。「災難を前にして、助ける人はどこの国とか考えなかった。みんなが友人、親戚だという考えだった」とたたえた。
温首相は日本産品の「風評被害」対策にも言及。中国への輸入規制について安全確保を条件としつつ「緩和させていきたい」と表明した。中国からの観光客が激減したことについても「観光交流を回復し、拡大していきたい」と語った。
李大統領は名取市で犠牲者に献花、黙祷(もくとう)した後、「すべての韓国国民が私に温かい心を伝えてくれと言った。(震災直後に秩序を守った)日本国民の節制された姿と勇気には世界が驚いた」と記者団に語った。
22日には東京都内で日中韓首脳会談をし、首脳宣言を発表する予定。原子力安全での協力を柱とし、原発事故時の風評被害防止のほか、早期の通報や情報交換も明記する。
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「微笑地生活下去(笑顔で生きてください)」――。中国の温首相は21日、菅首相、韓国の李大統領とともに訪れた福島市の避難所で、生活空間を仕切る段ボールにこんなメッセージを残し、被災者を励ました。
福島県浪江町から避難している谷田いづみさん(52)。温首相と握手をした時に「『笑顔』と書いてくれませんか」と頼むと、温首相は笑っている人の絵を描いた。谷田さんが「(絵ではなくて)言葉です」と言うと、中国語のメッセージとサインを書き、「笑顔で頑張って」と励ましてくれたという。(岡村夏樹)
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