憲法タウンミーティング 参加記   (2009.5.3 和歌山市で開催/5.4寄稿)
     九条の会・わかやま 事務局  阪中 重良
 
 憲法記念日の5月3日、県民文化会館小ホールで日本青年会議所近畿地区和歌山ブロック協議会が主催した「憲法タウンミーティング 国民投票法って何?」と題した集会がありました。

 日本青年会議所は、「自主憲法制定推進」をかかげた団体であり、どういう内容の集まりになるのかと興味津々で参加しました。

 会場入り口には、スーツ姿の人が立ち並んで少し異様です。受付では、総務省発行の「憲法改正 国民投票法」の啓発パンフレットとJCI発行の憲法の論点解説冊子が手渡されました。

 オープニングには、コント集団「ザ・ニュースペーパー」のメンバーが出演。「浮動票で国民投票法が成立したのは恐ろしい。浮動票の獲得で当選した千葉知事のようだ」。「改憲後にハイブリット仕様で環境にやさしいミサイルが開発された」。「戦争をなくしたい。大人は1度決めた約束は守ってほしいと訴える小学生」など痛烈なジョークに、会場は笑い声であふれました。内容は、「ザ・ニュースペーパー」が普段に演じているものをここでもやられたようで、とても楽しいものでした。

 続いて和歌山大学生涯学習センターの堀内秀雄センター長がコージネーターを努め、自民党の県選出の参議院議員、鶴保庸介氏、人材育成業「ヒューマンアシスト」代表、宮田栄子氏、弁護士、松原敏美氏の3人のパネラーによるパネルディスカッションがありました。

 テーマは@ 憲法について A 憲法第9条について B 国民投票法について の3つで3人のパネラーが順番に発言していきました。宮田氏は、主婦の立場から、9条の平和主義は大事と思うが、マスコミを見ていると領海侵犯とか、北朝鮮問題など不安だと率直な意見を述べ、改憲賛成の鶴保氏は、「憲法の理想と現実がかけ離れている」「国際社会から頼られる国に・・」、そのためにも改憲が必要。松原氏は、軍隊は持たない。交戦権は認めない。自衛の戦争も否定した憲法第9条1項、2項を高く評価し、国際貢献は、日本は9条を持つ国としてその範囲で行うことが国連憲章でも示されているなど発言がありました。

 国民投票法については、鶴保氏は、「いままでは投票のやり方の法律はなかった。国民投票法の成立は、改憲への第1歩」。宮田氏は、「国民の責任は重大」。松原氏は、「国民投票運動が問題だ。情報があふれかえって、国民が雰囲気に流されるのが怖い」等の発言がありました。その後、会場からも3人が発言。

 コージネーターの堀内氏は、@ 和歌山ブロックとして、自分たちでパネラーの人選をされたことを評価する。 A 複眼でものを見る。いろんな意見を聞いて判断することの大事さを強調 B 日本人は、国のあり方について議論してこなかった。危険性と拙速性は感じるが、草の根からの憲法議論が大事とまとめました。

 当初、私が思っていたよりも自由な雰囲気で、「中央はともかくとして、この和歌山は・・・」の意気込みで「県内の多くの人に憲法をもっと身近に感じてもらい政治意識を高めたい」という主催者の意図が伝わる、いい集会であったと思います。ただ、250人余の参加者のうち3分の2がスーツを着た会員らしき人たちで、一般県民の参加がもっとあればよかったのにとの感想を持ちました。

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(2009年5月6日入力)
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