九条の会ニュース 第213号(2015.8.21)
[「戦争法案は廃案に! 九条守れ 九条の会交流・討論集会」( 8.12) 開会挨拶]

開会あいさつ
      事務局 渡辺 治

 5月1日、九条の会事務局は戦争法案をの国会提出を前にアピールを出しました。戦争法案をつぶすために、「九条の会らしさ」をもって探求しようと訴えました。「九条の会らしさ」というのは、多くの人が参加できる保革を超えた共同、もう一つは全国津々浦々で地域に根ざした取り組みです。
 まず、戦争法案反対の運動を盛り上げてきた4つの力を確認しておきます。
 第1の力は、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」という新たな共同が生まれ、活動していることです。この共同のなかで民主党、共産党、社民党が一堂に会して連携するかつてない取り組みが行われています。
 第2は、九条の会のがんばりで、大都市部だけでなく地域の立ち上がりをつくってきたことです。そのなかで、自分たちが責任をおっている地域全体を対象とした取り組み、全戸にチラシを配付することや、町の中心部でのすわりこみ、道路沿いに看板をたてるなどの行動が創意をこらして行われています。また政党間の共同をはじめ、地域での大きな共同をつくるためのイニシアティブを発揮しています。さらに九条の会の新たな結成の動きです。秋田では社民、共産、民主による県議九条の会ができています。さらに九条の会は全国の地方議会で戦争法案反対・慎重審議を求める決議にとりくんできました。3月以降、405の地方議会で決議が採択されていますが、このうち393が反対・慎重審議を求める決議です。それからSEALDsとは別に各地に青年九条の会ができています。
 3番目に、そうしたなかで、保守的な人々の立ちあがりがいろいろな形であらわれています。地方議会の決議でも114人の与党議員が戦争法案反対・慎重審議賛成にまわっています。これは九条の会がさまざまな形ではたらきかけている成果でもあります。
 4番目は女性や学生が、SEALDsとか女の平和のヒューマンチェーンとか、それぞれ声をあげるということがおこっています。
 こういった運動の4つの力が発揮されて安倍内閣を追いつめたと思います。
 これまでの戦争法案反対運動のなかで2つの大きな画期がありました。
一つは6月4日、衆院憲法審査会で3人の憲法学者が集団的自衛権は違憲という発言をし、大きく潮目を変えたことです。自民党の幹部は、これはオウンゴールと言いましたが、私たちの運動がそうした状況をつくりだしたのだと思います。その後、6月25日の自民党の勉強会で、財界は新聞に広告を出すな、沖縄の2つの新聞をつぶせ、という発言があって、これもオウンゴールといわれましたが、これも私たちの運動がもたらした自民党議員の焦りだと思います。その結果、安倍内閣は6月22日、95日の会期延長を強行せざるをえなくなりました。
 そして7月16日の衆院の強行採決をむかえ、これをきっかけに第2の画期がもたらされました。おそらくこの強行採決を境に運動は第3の局面、後半戦に入りました。
 戦争法案をつぶすためには、国会を通過する前に安倍内閣を倒すしかありません。私たちは、60年安保闘争の時すらやったことのない困難な取り組みをしなければならないと思います。これまでのたたかいの延長では、私たちは安倍内閣を追いつめることはできても、戦争法案を止めるところまではいかないのではないか。どんなたたかいをこれから展開したらよいか。私は、4つの取り組みを行っていくことが必要ではないかと思います。
 一つは、もっともっと幅を広げた運動です。私たちの地域の宣伝行動では、どこでも、前よりはビラを受け取ってくれるという反応があります。しかしまだまだ受け取らない人の方が多い。
 戦争法案についての世論調査をみると、6割ぐらいの人たちが反対、7割ぐらいの人たちは今国会の通過には反対、そして8割ぐらいの人たちがこの戦争法案に関する政府の説明は不十分だと思っています。だがこの人たちは世論調査では反対を表明するが、自分で何かしようとは思っていない。この人たちに声をあげてもらうこと。そのために私たちの訴えを届ける取り組みを地域でやる必要がある。
 第2は、その地域の取り組みのなかで、共同をつくる。総がかり行動実行委員会は中央の共同なので、地域で共同をつくる。それが総がかり行動実行委員会の地域版になるのか、政党間の共同になるかいろいろな形態が考えられます。そうした地域の共同、その共同による地域での集会です。
 3番目に、こうした地域での取り組みをもちよって東京で行われる集会にいろいろな形で参加する。8・30の集会などにできるだけ参加し、国会を大きく包囲する。
 4番目は戦争法案反対のたたかいと沖縄の辺野古の新基地反対のたたかいを、地域の九条の会の取り組みのときには結びつける、これが安倍内閣を追い詰めていくことになるのではないかと思います。
   今日を安倍内閣を倒し、戦争法案をつぶす後半戦の取り組みの第一歩にしましょう。