「守ろう9条 紀の川 市民の会」安全保障関連法強行採決に抗議の声明(2015.09.20)

 「守ろう9条 紀の川 市民の会」は20日、19日未明に可決成立した安保関連法制の、強行採決に厳重抗議する声明を発表しました。以下はその全文です。


安全保障関連法の強行採決に厳重に抗議する

 安倍政権が国会に提出した集団的自衛権を行使できるようにする安全保障関連法案は、9月19日未明に参議院本会議において自民党・公明党などで強行可決された。これは憲法違反の暴挙といわなければならない。
 そもそも、この法案は「わが国が直接攻撃されていないにもかかわらず他国に加えられた武力攻撃を実力で阻止することは、憲法9条のもとで許容される実力の行使の範囲を超えるものであり、許されない」とした従来の集団的自衛権否定の憲法解釈を、容認へと180度転換し、戦後70年間、戦争でひとりの外国人も殺さず、ひとりの日本人の戦死者も出すこともなかった、世界に冠たる「平和国家・日本」を保障している憲法9条を根底から破壊するものである。
 6月4日の衆議院憲法審査会では自民党推薦の憲法学者も含む3人の参考人全員が、法案を憲法違反と断言し、日本の憲法学者のほとんど全員が違憲と断定している。また、自民党政権下の歴代の内閣法制局長官も積極的に違憲の声を上げ、日本弁護士連合会や全国の弁護士会すべてが反対の声を上げている。さらに、「憲法の番人」である最高裁判所の元長官・山口繁氏までもが違憲と断言し、「集団的自衛権行使を否定する従来の解釈は憲法9条の規範へと昇格している」と述べている。そして世論調査では、法案に「反対」は6割、今国会での成立には7割の国民が反対している。
 中央公聴会の公述人・奥田愛基氏は、行動こそ主権者として当たり前のことであり、「この国の憲法の理念を体現するもの」と強調し、世代を超えた反対のうねりは、70年間の平和主義の歩みを引き継ぎ、守るものだと述べている。
 私たちは、違憲の安全保障関連法案の採決を強行した安倍政権と与党の自民党と公明党、並びにそれに組みした他の3党に対して、厳重に抗議する。そしてこれからも、安全保障関連法に反対する大多数の国民とともに、違憲の安全保障関連法の施行を阻止するとともに、その廃止を求め、暴挙を働いたものに歴史の鉄槌を下すべく、さらに大きく活動を展開し続けることを宣言する。

2015年9月20日

守ろう9条 紀の川 市民の会
(和歌山市)