「ゴジラ」通じて改憲の問題語る和歌山信愛女子短大教授(朝日新聞・和歌山 2017.12.10)

【記事写真】




【文字情報】

朝日新聞(和歌山版) 2017年12月10日

「ゴジラ」通じて改憲の問題語る 和歌山信愛女子短大教授

 和歌山放送ラジオでコメンテーターを務める和歌山信愛女子短大の伊藤宏教授(55)=メディア論=が9日、改憲の問題点をテーマに新宮市で講演した。
 憲法9条を守る活動をしている「くまの平和ネットワーク」主催の講演会で、ゴジラ好きの伊藤教授が掲げた演題は「ゴジラとウルトラマンがあなたに伝えたいこと」。水爆実験が原因で姿を現したゴジラから守るものは国家か人か、という話をした後、今の憲法前文が「日本国民は」で始まるのに自民党草案は「日本国は」と国家がスタートになっていると指摘した。また「真理と平和を希求」とされた教育基本法前文が2006年改正で「真理と正義を希求」になったことも紹介し、「この正義が国家に都合のいい正義になっては大変だ」と語った。
 そのうえで、「憲法が時代に合わなくなったのではなく、時代が憲法に合わないようになった。そういう世の中にしてきた」と言い、「ゴジラを武力で攻撃するのではなく、人の英知で上陸させないようにしないといけない」と訴えた。(東孝司)