【チラシ裏面より】
鶴彬こころの軌跡 神山征二郎監督作品 戦争へと向かう激流に立ちふさがる、若き詩人の魂 名匠 神山征二郎監督が万感の想いをこめて放つ、清冽な映像詩 暴風と海との恋を見ましたか 生き難き世紀の闇に散る火華 都会から帰る女工と見れば病む 遂にストライキ踏みにじる兵隊である 暁を抱いて闇にゐる蕾 枯れ芝よ団結をして春を待つ 手と足をもいだ丸太にしてかえし 胎内の動きを知るころ骨(こつ)がつき 昭和初期、日本が中国への侵略戦争に突入していく暗黒の時代に、「川柳」の革新と芸術約向上を目指し、その「川柳」を武器に、反戦・反権力を貫いた一人の若者がいた。 鶴彬、本名 喜多一二(きたかつじ)。1909年(明治42年)1月1日、石川県河北部高松町(現在はかほく市)に生れ、15歳のころから、川柳を作りはじめる。 軍隊内での反戦活動で逮捕され服役した2年間を除き、1937年(昭和12年)12月、治安維持法違反で逮捕され、留置所で赤痢にかかり、翌年9月14日、29歳で亡くなるまでの短い間に1000をこえる句と90余の評論、自由詩などを残した。 その全作品を発掘しまとめた「鶴彬全集」(一叩人編・たいまつ社刊)の復刻をした、作家の澤地久枝さんや、評論家の佐高信さん、作家の田辺聖子さんら、出版物や講演で鶴を紹介する方も増えてきているが、鶴彬を知る人はあまりにも少ない。 生誕100年を迎える今、鶴の作品と、生き様をとおして、あの時い時代へと歴史が押し戻されそうな危険性をともなう現代に鮮烈なメッセージを届けたいという、地元・石川県民の熱い思いと、種々な困難を強靭な意志で乗り越えた名匠・神山征二郎監督によりドキュメンタリードラマ「鶴彬こころの軌跡」は完成した。 主人公・鶴彬にはみずみずしい感性でみごとに演じきった新鋭・池上リョヲマが。鶴を支える井上剣花坊・信子夫妻に、高橋長英、樫山文江のベテランが厚みを添えている。撮影は「宮沢賢治その愛」などの伊藤嘉宏、音楽は「ラストゲーム最後の早慶戦」などの和田薫があたり、清冽な映像詩となった。 2010年4月16日(金) @14:00〜 A16:00〜 B18:30〜 県民文化会館 小ホール 前売り券 1,000円 当日券 1,300円 主催/「鶴彬こころの軌跡」上映実行委員会 協賛/和歌山県川柳協会 選定/文部科学省 間い合せ/和歌山市吉田102 国労会館2F 国賠同盟 TEL・FAX O73−422−7076 |