「九条の会・わかやま」 131号を発行(2010年5月3日付) 131号が5月3日付で発行されました。1面は、第16回「キリスト者9条ネット和歌山」の集い―韓国の人にとっての憲法9条、戦争を拒否して中立宣言を出すのは国家の権利(井上ひさしさん講演 ①)、九条噺、2面は、自分自身が一生懸命に生きること(池間哲郎氏講演)、「九条の会」7507に、井上ひさしさんの志を受けついで九条の会講演会 「日米安保の50年と憲法9条」 です。 |
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第16回「キリスト者9条ネット和歌山」の集い開催 |
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4月29日、和歌山市の屋形町カトリック教会に30名近くが参加して、第16回「キリスト者9条ネット和歌山」の集いが開催されました。
戦争を拒否して中立宣言を出すのは国家の権利 ☆ 井上ひさしさん講演 ① 「世界の流れの中で、日本国憲法はどういう位置にあるか」ということを詳しく、分かりやすくお伝えするのが今日の目的です。 第1次世界大戦で亡くなった方の95%は軍人、一般市民は5%です。第2次世界大戦では52%が軍人、48%が一般市民です。朝鮮戦争では軍人は16%、84%が一般市民です。ベトナム戦争では軍人が5%、一般市民が95%です。第1次世界大戦の時とは、全く逆になってしまいました。イラク戦争では、08年6月までの数字ですが、米軍の死者が釣4000名、イラクの死者は15万1千人。イラクの人口2500万人のうちの400万人が国外へ逃げて、難民になっています。それを考えると、戦争は一般市民が巻き込まれる。ほとんどの死者が一般市民であるというのが実態です。 憲法を変えて日本も戦争できる普通の国になろうなんて言う人たちがいますが、そんなことを言えるのは言葉の上だけです。戦争が始まったら死ぬのは私たちなのです。それは、今申し上げた数字がはっきり証言しています。このことを頭のどこかに置いていただいて、この100年、世界の考え方がどう変わってきたのか、その中で日本国憲法がどういう位置を占めているのかをお話します。 国際条約の製造所・ハーグ オランダにハーグという都市があります。「国際条約の製造所」などといわれるくらい、ここで成立した国際条約はたくさんあります。 国際法、国際条約は、それを結んだ国々を縛る堅い約束(ハード・ロー)です。宣言、行動計画とかは、緩い約束(ソフト・ロー)です。申し上げるのは、堅い国際法や国際条約がハーグで決まることがとても多いという話です。 今からほぼ110年前の1899年に、戦争はやめよう、平穏に暮すためにどういうことが必要か話し合おうと、平和のためだけに集まった会議がハーグで行われました。これを第1回ハーグ国際平和会議と呼んでいます。1899年は世界の国は40とか50くらいで、その中の26ヵ国がハーグに集まり、2ヵ月間討論をして、決まった国際宣言が3つあります。 まず、軽気球からの爆発物の投下禁止宣言。飛行機ができるのはそれから4年後のことです。気球の上から爆弾を落すのを禁じ合う、即ち空襲はいけないということです。参加した26ヵ国がそれを宣言し合いましたが、日本は批准しませんでした。 次は、ダムダム弾の使用禁止宣言。ダムダム弾は当った瞬間に体の中で玉が破裂する。玉1発なら血を止めて摘出して助かる場合がありますが、ダムダム弾は中で鉄の破片が微塵になって散ってしまいますから、確実に死ぬ。そういうひどい鉄砲の玉を使うのはよそうと出されたダムダム弾使用禁止宣言というのが2番目です。 3番目は、毒ガス使用禁止宣言です。毒ガスは吸えば死ぬ、死なないまでも神経系統がおかしくなる。そういうものを散布して戦争をするのはやめようという宣言です。 第1回のハーグの国際平和会議は、この3つの宣言のほかに、3つの条約を成立させましたが、戦争自体をやめようということは、決まりませんでした。 第2回は、8年後の1907年、当時のほとんどの、44ヵ国がもう一度ハーグに代表を送りました。この会議では、再びどうしたら戦争をしないですむのかというルールづくりに取り組みました。大変重要なことが決まりました。戦争をやめるということはできませんでしたが、戦争を拒否して中立宣言を出す自由がどんな国にもあるということが、初めて決まりました。 傀儡国家・満州国 第2次世界大戦は、ドイツ、イタリア、日本など8ヵ国が国際連盟から脱退して始まります。当時、日本は国際連盟の常任理事国でした。満州を植民地にしたいが、外国の目が憚られるので、そこに傀儡国家・満州国をつくることにしました。これを日本が独立国家として承認するというわけです。自分で国家をつくって、トップは満州人、ナンバー2は全部日本人で、そこに岸信介とかたくさんの「優秀な」官僚が入って、実権は日本が持つ。国際連盟の総会で満州国を認めるか認めないかの採択をしましたが、棄権の1国を除いて、42の加盟国全部が認めず、承認は日本だけ。松岡洋右全権代表は席を蹴って飛び出し、常任理事国をしていた国際連盟から脱退する。半年後ドイツが、さらに4年後イタリアが脱退する。この脱退した国が枢軸国で、残った国は連合国です。(つづく)
【九条噺】
自分自身が一生懸命に生きること |
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青年法律家協会和歌山支部は4月28日、和歌山県民文化会館・小ホールで「憲法を考える夕べ」を開催しました。NPO法人アジアチャイルドサポート代表理事・池間哲郎氏が「懸命に生きる人々 ~日本人こそアジアの人々から学んでほしい~」と題して講演をしました。
「九条の会」7507
井上ひさしさんの志を受けついで |
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日時:6月19日(土)13時30分開会 |
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(2010年5月3日入力)
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