「九条の会・わかやま」 134号を発行(2010年6月2日付) 134号が6月2日付で発行されました。1面は、「和歌山市ひがし9条の会」第3回総会&講演会、訃報 戦争出前噺・本多立太郎さん、国民の運動が守った憲法9条(東京慈恵会医科大学教授・小沢隆一氏 ③)、九条噺、2面は、ひとの都合で死ぬということをやめよう(井上ひさしさん講演 ④) です。 |
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9条を守り「環境保全的人間安全保障」へ |
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5月23日、「和歌山市ひがし9条の会」第3回総会が東部コミュニティーセンターで開かれ、40名が参加しました。
訃報 |
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「戦争出前噺」を語り続けられた本多立太郎さんが5月27日にお亡くなりになりました(96歳)。昨年12月13日の「九条の会」近畿ブロック交流集会にも参加されました。謹んで哀悼の意を表し、ご冥福をお祈り致します。
5月の風に We Love 憲法 |
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60年に安保条約が改定されてしまうが、改定反対運動を様々に繰り広げた結果によって、60年安保条約は「いびつな軍事同盟」になった。それは、①共同防衛は日本国内だけとなった。普通の軍事同盟は互いに守るものだ。②米軍は日本の防衛に関わらない「極東の平和と安全」にも寄与するとなっている。日本と関係のない地域にも日本から出て行き、日本も戦争に巻き込まれることになる。③核兵器の持ち込みなど表に出せない「密約」を満載したものになった。「いびつな軍事同盟」になったのは国民の反対の世論がプレッシャーをかけ続けていたからだ。
【九条噺】
ひとの都合で死ぬということをやめよう ☆ 井上ひさしさん講演 ④ 核禁止の流れ 「南極条約」は要約すればたった4項目の短い国際条約です。①そこに軍事基地をつくってはいけないし、軍隊はそこに立ち入ってはいけない。②科学の観測においては各国いい意味で競争しよう。③南極はどこの国のものでもない。世界の人たちの公園である。④核実験も核の持ち込みも禁止する。 やがて、この南極条約をモデルに、「ラテンアメリカ核兵器禁止条約」(67年)ができます。中南米の国々が、核兵器をつくらない、持たない、使わないことを取り決め、各国に持ち込ませないために、核保有国に議定書を送り、「核を絶対ここに持ち込まないでほしい」と約束をとりつけるわけです。その議定書を核保有5大国は批准しています。 次にできたのが、「南太平洋非核地帯条約」(85年)です。南太平洋には国や地域が16ほどあります。小さいとはいえ、れっきとした国があるのに、そこで核保有国は50年代からくり返し核実験する。それで「この南太平洋には核を持ち込まず、使わないでほしい、われわれはつくらないし、持たない」という条約を13の国・地域でつくりました。域内での核実験はむろん、核の投棄も禁じています。 そして今度は、東南アジアの10ヵ国で「東南アジア非核兵器地帯条約」(95年)をつくりました。タイやフィリピンから南は全部、核兵器はつくってはいけない、持ってもいけない、使ってはなおさらいけないということで合意している。そして議定書では、域内で保有国が使用することも、使用すると威嚇することも禁じています。アフリカも、95年にアフリカ統一機構首脳会議で、「アフリカ非核兵器地帯条約」が採択されました。 それから、宇宙空間も非核兵器地帯です。大気圏の外、宇宙空間は南極と同じようにどこのものでもなく、そこに軍事的なものは一切持ち込んではいけないという「宇宙条約」が、66年にできています。それなのに日本政府は、アメリカが宇宙基本法をつくっているのにならって、宇宙基本法を国会で通しました。民主党も賛成して、ほとんど審議することなく成立しましたが、これは宇宙開発を推進する法律です。宇宙ステーションをどう使うかということで、いつ軍事基地になるかわからず、宇宙を帝国化する構想は、すでに宇宙条約で禁止されているのです。「きぼう」を打ち上げて喜んでいますが、そんなところから何か落とされたら大問題なのです。海底にも「海底非核化条約」というのが71年にできています。 いつか大河に 机に地球儀を置いてみると、南半球はすべて非核兵器地帯です。なかでも南アフリカは核兵器を持っているのに廃棄して、大きな核廃絶のアフリカの条約に入っていった。これは歴史始まって以来のことです。北半球ではモンゴルが非核兵器地帯の宣言をしています。北半球でたった1つ、この国だけがそういう宣言をきちっとしています。 地球ではほとんど6割が核兵器を使ってはいけないということになっています。南極もそうです。北極は複雑な事情があってまだ解決していません。でも海底は非核地帯ですし、宇宙空間も大気圏から外は非核地帯です。こうやって世界をながめてみると、日本国憲法がいっていることが、実は実現しているのが分かります。 アフリカのガーナだったと思いますが、戦争放棄を掲げた憲法を持っている国があるそうです。日本の憲法9条を真似たのかどうかは確かではありませんが、そういう国がどんどん出てきているのです。こういう「盗作」は大歓迎です。ここで今、本家が引いたら、どうなるでしょうか。ここはもう愚鈍と言われようが何と言われようが、ひたすら世界の心ある人たちと運命を共にするしかない。日本にいるとなかなか先が見えなくて、すごく憂鬱になります。でもそうではない、日本の憲法9条に世界の未来を託そうという大きな流れもあるのです。その流れを大事にして、私たち一人ひとりが、ひとの都合で死ぬということをやめる、死ぬのは自分で決める、それが私のいう憲法9条を守るということであり、9条のもとに生きていく意味です。(おわり) |
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(2010年6月6日入力)
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