特別分散会では8人の方の発表があったが、私たちは帰りの飛行機の時刻に間に合わせるべく中途退席したので、最後の学生の方の発表を聞けなかった。せっかくの若い人の発表だったのに、残念だった。
特別分散会
大宜味村「憲法九条を守る会」(沖縄)
私はもうすぐ80歳。「対馬丸」の生存者で、戦争は二度とさせまいとの思いで9条の会を発足させ、今100名の会員を擁している。
米軍のことを思うといつも不安で、日曜日でもチームを組んで、高江のヘリパッド移転反対の行動に取り組んでいる。普天間基地の辺野古への移転反対の行動にも80歳を超えた女性が大勢参加している。沖縄は日本復帰後もその実態は変わらない。首相は変わったが、変わる度に悪くなっている。「静かに、平和に暮らしたい。沖縄に基地は不要」その思い一つで頑張っている。沖縄返還闘争をくぐり抜けてきた沖縄のおばあは元気です。集会や抗議行動に行きたがる、闘争心溢れるおばあはたくさんいる。9条を守る会の取り組みに今後もがんばります。
山元町九条の会、憲法九条を守る首長の会(宮城)
あの日自宅にいたが、ドーンの音と縦揺れ、その後、横揺れ、揺れが鎮まってから裏山に避難。水平線の中に白い線が現れ、しぶきを立てて高さを増し、陸地に押し寄せ、12qに及ぶ保安林に襲いかかった。津波は渦になって町をのみ込んでいった。死者614名、1300棟が津波に流され、農地の70%が浸水。山元町はイチゴの産地だが、出荷できたのは129戸の内5戸のみ。生存そのものが脅かされ、権利皆無の状態なのに、復興に便乗した構造改革が推し進められようとしている。原発の事故に関して言うと、宮城県は放射能対策には消極的で、「問題なし」と言う態度。これは人災なのに、国も東電も責任回避に走っている。今こそ原発からの撤退を訴えたい。
小高九条の会(福島)
福島第一原発から12〜16qの町で、震災の翌日、突然の「避難指示」。私は、着の身着のまま埼玉三郷へ避難。誰がどこへ行ったか一切不明だった。9条の会8名の世話人も会長は亡くなられたし、みんなバラバラになった。辛うじて残っていた3人の携帯電話のアドレスで連絡をとり、その3人が別の3人へと・・・というスタートで、集団避難中に通信を出して喜ばれた。1回目は20名、次は50名にと増え、やがて、会員の85%まで情報を伝えることができた。中には、こちらで消息をつかめていなかった人や、長く縁が切れていた人からも送って欲しいという申し出があったりして、どんどん増えた。最初は送料も個人で負担していたが、現金やカンパが寄せられるようになった。この通信活動は読売や赤旗、NHKは地方版から更に国際版でまで報道された。通信活動は9条の会の基礎的な活動であり、これからも続けていきたい。
唐津・東松浦地区日本国憲法九条の会(佐賀)
原発事故の後、危険な原発はいらないと、原発の廃止を求める声が急速に高まり広がっているが、その一方で、電力の安定供給のためには原発は必要だという意見や、核抑止力として必要だという考えも出てきている。
原子炉は、核分裂する際に放出される中性子を浴びて鉄が変質し、脆くなる。また、熱の急激な変化で炉が割れることもある。破損危険性の指標の温度は、九電玄海原発では大変危険な状況にある。事故が起これば30qも300qも同じだ。原発の被曝は事故の時だけではない。施設の点検・整備などの作業で浴びる。人が傷つかねば維持できない原発を動かしてはならない。「電力は原発に頼らなくても足りる」ことを信じて頑張ろう。
井の頭沿線九条の会・永福(東京)
井の頭沿線に次々と会をつなげていきたいとの思いを込めてこの名前を付けた。会費なし・規約なしだが、行事の当日に資料代として3〜500円もらっている。世話人会は、仕事を終えてからになるので、午後8時ぐらいからの開始。その後で食事会をする。講演会の後では、持ち寄り料理で懇談会をする。世話人が楽しく負担にならない活動が、長続きのコツ。今までに、澤地さんをはじめ、講演会、憲法ウォーク、DVD鑑賞会、戦争体験を聞く会等々、2〜3カ月に1回、様々な取り組みをしてきている。今後、九条の会を地域に広めていく必要がある。
水橋九条の会(富山)
@毎月ニュースを出す。3〜6千世帯が医療生協に加入。医療生協を通じて配布できるようにした。A毎月呼びかけ人会議をする。その中で10〜15分の学習をする。B運動を楽しくするために、月1回はバス旅行。新年会もする。Cお寺さんにも協力を依頼。22カ寺が名前を出してくれた。残り2カ寺は名前は出せないがカンパを寄せてくれた。また、誰にも見えるように13万円をかけて看板を設置した。この費用も募金で集めることができた。D若い世代に引き継ぐために、結成集会で、憲法前文を生徒に朗読してもらえるよう教員組合にお願いした。
5月3日には、参加費300円で、平和を祈り、鐘をつくイベントをしたところ2〜300人の参加があった。
憲法9条をまもる瀬戸の会(愛知)
発足時は800名。6年後の今は400名。事務局は硬直化しているという批判がある。13万人の町に35の会がある。プライベート九条の会として、友人・知人に手紙や葉書を書いて「止めよう、死刑と戦争を」など、訴える取り組みをしている。いろいろな工芸士のいる瀬戸という土地柄を生かして、グッズを作って販売、宣伝活動に生かしている。(つづく)
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自民党、改憲案策定へ
通常国会へ提出か
自民党の憲法改正推進本部(保利耕輔本部長)は憲法改正案を今年4月までに取りまとめ、通常国会に提出する方向で検討に入っています。1月の党大会に中間報告を行い、サンフランシスコ講和条約の発効からちょうど60年目に当たる4月28日をめどに改憲案を発表する方針とのことです。
自民党・谷垣総裁も記者会見で「60年前に日本国が主権を回復した数年後に、自由民主党が結党しました。主権を回復した国がやるべきこととして、自主憲法制定ということを党是に掲げた。・・・60周年という節目に自民党としての考え方を世の中に問うていこうということです。まずは自民党として、全体の姿、どういう方向を目指すかを明らかにして、そして国民の間に自主憲法を作るという動きを訴えていくということになると思います」と述べています。
緊急事態条項の導入、改憲要件の緩和、自衛軍の創設、集団的自衛権の容認などが充分に予想されます。厳重な警戒が必要です。
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企業はだれのためにあるのか
品川正治さん(経済同友会終身幹事)
憲法9条の理念を具現化した国是ともいうべき武器輸出3原則の「緩和」を、日本の大企業の代表である米倉日本経団連会長は賞賛しています。「企業はだれのためにあるのか」を品川正治さんが語られていますのでご紹介します。
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