「九条の会・わかやま」 230号を発行(2013年10月30日付) 230号が30日付で発行されました。内容は、「9条世界会議・関西2013」開催 5500人が集う、東京オリンピックを平和憲法の下で迎えよう(小沢隆一氏 ③ )、九条噺 です。 | ||
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「9条世界会議・関西2013」開催される |
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その後、ジーン・マイラー(アメリカ、国際民主法律家協会会長)、アン・ライト(アメリカ、元陸軍大佐・外交官)、君島東彦(立命館大学教授)、イ・キョンジュ(韓国、仁荷大学教授)の4氏が発言。9条は日本国内だけの問題だけでなく、世界から注目されていることが明らかにされました。 |
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14日は、大阪市中央体育館で記念イベント集会があり、約5000人が参加しました。吉岡達也共同代表は挨拶で、「安倍首相はオリンピック招致で『アンダー・コントロール』と言った。この人は本当のことを言わない人だということが国際社会に広がっている。この首相が潰そうとしている9条がどんなに大事かを世界に訴えるチャンスだ」と訴えられました。 |
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第1部「世界に広がる9条」では、海外ゲストの紹介に続いて、アン・ライト、ベルハッセン・エヌーリ、イ・キョンジュ、ローラン・ヴェイユの4氏が代表して発言しました。イ・キョンジュ氏は「日本国憲法はアジアの仲間として日本を受け入れてくれたものだ。9条がなかったら果たして日本をアジアの友達にしてくれたか。今国連では『平和への権利』が議論されているが、日本国憲法の平和的生存権はそれを先取りしたものだ。世界各国が日本国憲法の仲間になりたいと言っているのに、自民党改憲草案はそれをばっさりと削除している。是非こういう感動的な祭りをやり続けてほしい」と話されました。 |
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第2部「若者が伝える9条」では、ダンスパフォーマンスと若者によるリレースピーチ、藤波心さんと司会の小山乃里子さんとの対談、がじまるの会のエイサーが続きました。
東京オリンピックを平和憲法の下で迎えよう |
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![]() 小沢隆一氏 ③ |
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3番目の柱は最大の柱だ。9条を変えて軍事大国化を目指す部分だ。元々何故憲法を変えるかというと、9条を変えて自衛隊を海外に出し、アメリカ軍と一緒になって活動させるためだ。それは9条の下ではどうしても出来ない。自民党政権も海外派兵は出来ないし、集団的自衛権も憲法に違反すると言い続けてきた。今の憲法を変えなければこれはできないので、9条改憲を狙っている。狙いの中心は集団的自衛権の行使だ。そのために安倍政権は憲法を変えるやり方と、憲法解釈を変えるやり方の2つを同時に使おうとしている。まず、武力行使を禁ずる規定に「自衛権の発動の場合はこれを除く」という規定を入れようとしている。元々、政府解釈では個別的自衛権の行使は憲法違反ではないという解釈だから、あえてこのような規定を入れるのは集団的自衛権行使をやりたいためだ。自衛隊を国防軍にする。国防軍は他国の軍隊に肩を並べるものになる。堂々と海外に出て行って、海外の軍隊と海外で渡り合い、その地域の民間人を殺してしまうかもしれない。そういうことも辞さない軍隊になろうということだ。国防軍になるとそんなことはしたくないという人は当然出てくる。敵前逃亡や命令に従わない兵士が出た場合は無理やりにでも従わせるために、厳罰による処罰が必要となる。自民党改憲案は審判所という軍法会議を置こうとしている。海外で日本国民が危険な目に遭った時は軍隊を出して保護しようということまで考えている。緊急事態には政府が国民の権利を制限出来るという規定も作ろうとしている。緊急事態の中には自然災害も盛り込まれている。地震・津波・台風などは憲法に非常事態対処規定を入れても待ってくれるものではない。復興や防災対策は憲法に書く話でなく、法律や自治体の施策で手当てするのが勝負になる。自然災害まで入れるのは口実にすぎず、要するに軍事的な非常事態に対処するための政府の全権がほしいということが規定の狙いだ。今の9条体制を完全に軍事態勢に変えてしまおうというのが自民党改憲案だ。こういう動きは当然国民から反発を受ける。明文改憲に反対の国民の声が強い中でも、一歩でも前に行きたい思いから解釈改憲の動きが出てきている。内閣法制局長官を集団的自衛権行使容認の意見の持ち主の元外交官を据え、安倍政権は集団的自衛権行使を狙っている。また、12月に防衛計画大綱を改定して自衛隊に海兵隊的な役割を持たせようと考えている。おそらく尖閣諸島や東シナ海でのためにそういうことを想定しているのだと思う。しかし、それだけではなく、もし自衛隊が海外に出て行くことになると日米共同体制の強化にも繋がる。また、政府内での迅速な意思決定ができるようにと、アメリカのNSC(国家安全保障会議)に匹敵する機関を持とうと考えている。これらによって憲法を変える前から実質を作り出してしまおうという動きを今執念深く狙っている。もうひとつ気をつけねばならないのは、法律を作って憲法を変えたのと同じ実質をとってしまおうというやり方だ。「立法改憲」と言っていいと思うが、「国家安全保障基本法」という法律を作って、今まで出来ないと言ってきた集団的自衛権行使をやってしまう。いろんなカードを持っていて、出来るときに出来る条件があれば、このカードを使うことを虎視眈々と狙っている。尖閣や竹島の問題で、なめられてたまるか、という妙な議論が飛び出しかねない状況になっていて、それに後押しされて防衛計画の大綱の見直しで自衛隊に海兵隊を置く動きが堂々とまかり通る状況になっている。もし、日本が9条を変えて自衛隊が海外にもっと堂々と出て行けるようになった時に、中国や北朝鮮が必ず謝ってくると考える方が、よほど政治的に音痴ではないかと思う。9条を変えて中国、北朝鮮、韓国に向き合った時は軍事体制を強化して向かってくるに決まっている。私たちはこういうことをすれば何が起りそうかということを、政治家たちよりも賢く見極める必要がある。9条を守り東アジアを平和な方向に持っていくことが、東アジアの難しい局面を打開する決め手になると思う。 |
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今朝、中期的な目標ポイントが見えてきた。20年東京オリンピックを9条の下で迎え、こんないい憲法を日本は持っているということを世界の人々に知ってもらえるそんな2020年にしようではないか。(おわり)
【九条噺】 |
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(2013年11月1日入力)
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